神戸国際大付10点差圧勝で夏初聖地!
「高校野球・兵庫大会決勝、神戸国際大付11-1三田松聖」(27日、明石トーカロ)
兵庫大会は4度目の決勝戦に進んだ神戸国際大付は、入学から故障続きだった黒田達也投手(3年)がしっかりと試合をつくり、三田松聖を大差で下して夏の甲子園初出場を決めた(春は3度出場)。
終わってみれば、10点差の大勝だった。過去3度はね返された、夏の県大会決勝戦の壁。神戸国際大付・青木尚龍監督(49)は涙で言葉を詰まらせながら「宙に浮いてるみたいで、気の利いたコメントを言えません」と、喜びを表現した。
しかし話題が甲子園に及ぶと「名前を上げます」と、進撃を予告した。それだけのチーム力、ことにエース・黒田の力に、十分な手応えを感じているからに他ならない。
この日の対策は一つ。ナインに「大会期間中の失敗を思い出すな」という指示だけだった。萎縮せず、普通のプレーができれば必ず勝てる。
三回、2死二塁から竹村が左前打でつなぐと、相手失策に下位打線からの4連打もあって、早々に試合を決定づけた。
青木監督のシンプルな指示はしかし、黒田に対しては少し、違っていた。中学で右肘と右手人さし指を手術。高校2年時に左膝、右膝を続けて故障。腰痛で半年間安静の日々もあった。
その苦労を知っているだけに、前夜は寮住まいの黒田を誘い出し「元気出して行こうな」と、短い言葉に万感の思いを込めた。
黒田も青木監督や家族、特に祖母・一子さんからもらった「頑張っても駄目な時もあるけど、無駄ではない」の言葉が入った押し花を寮に飾るなど、周囲の支えを肌で感じての復活、そして優勝だ。甲子園では「楽しんでいるところを、みんなに見てほしい」と話したエース。それが、青木監督の言う「名を上げる」に直結する。