智弁学園・岡本魅せた!通天閣打法
「高校野球・奈良大会準決勝、智弁学園11-6大和広陵」(27日、佐藤薬品)
奈良大会の智弁学園対大和広陵のプロ注目対決は智弁学園が逆転勝ちした。
日米12球団のスカウトが集結した奈良の“怪物対決”を制したのは、智弁学園・岡本和真内野手(3年)だった。今秋ドラフト上位候補の強打者が、プロ注目右腕の大和広陵・立田将太投手(3年)相手に2三振こそ喫したものの4打数2安打1打点。3年ぶり25度目の決勝進出に大きく貢献し「真っすぐだけ振った。いい投手だった」と汗を拭った。
圧巻は四回の第3打席だ。3‐5の2死二塁、立田の投じた2球目を豪快に振り切ると、白球は遊撃方向に高々と舞い上がった。度肝を抜く打球の高さに遊撃手も追い切れず。前方にポトリと落ちる“通天閣打法”は、1点差に迫る貴重な適時二塁打となった。
見守った阪神・池之上スカウトは「大阪桐蔭時代の中田翔をほうふつとさせるショートフライ。凡フライでもパワーを実証してみせた」と舌を巻いた。
7‐6の九回にも左前打を放ち大量4得点の口火となるなど、昨夏の奈良大会準々決勝で3打数無安打に抑え込まれたリベンジを果たした。「気持ちが入り過ぎず、全打席自分のスイングができた」と満足そうに振り返った。
最大のライバルを退け春夏連続甲子園に王手をかけた。決勝の相手は4年ぶりの対戦となる天理。岡本のバットで、学校創立50周年の節目を飾る。
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◆通天閣打法とは…野球漫画「ドカベン」の中で主人公のライバルで通天閣高校の4番エースの坂田三吉がゴルフスイングのようなフォームから、100メートルを超える高さまで打ち上げ、その間にベース一周する。打球は落下するに従って変化し、落球を誘う打法のこと。