日大鶴ケ丘夏切符!劇的サヨナラ勝ち
「高校野球・西東京大会決勝、日大鶴ケ丘2-1東海大菅生」(28日、神宮)
6大会で決勝が行われ、西東京では、日大鶴ケ丘がサヨナラ勝ちし、6年ぶり3度目の優勝を果たした。同点の九回に、中里雅哉外野手(3年)が決勝の左前適時打を放った。
夢にも思わなかったハッピーエンドだった。同点の九回2死一、二塁。2番・中里の打球が左前に抜ける。背番号14のヒーローはバンザイだ。自分のバットで甲子園を決めた。
「打った瞬間は何が何だかわからなかった」。現実を受け止められないのも無理はない。ベンチ入りは3年春から。今大会もスタメンは3戦目からだ。
昨秋東京大会初戦でコールド負け。そこから着手した改革が生きた。「何とかしなきゃいけないと思った」と萩生田博美監督(41)。泥臭さと粘りを身につけさせるため、昨年11月は1カ月間無休で練習。同ポジションの同級生を競わせることで、底上げを図った。
背番号11の右腕・小林晃大投手(3年)は、今大会初戦が公式戦初登板。5試合に先発し、この日も7回1失点と好投した。部の規則を破ると、練習参加できず『環境整備組』として清掃などを担当する慣習がある。小林も中里もその常連。一方で毎日10キロを走り込むなど、努力は続けてきた。小林は今大会の活躍を「想像していなかった」と素直に打ち明けた。
今大会メンバーには、昨秋はベンチ外だった選手が6人。指揮官は「高校野球っておもしろい」としみじみ言った。チームの合言葉は『泥臭く堅実に』。その通りの戦いで勝ち取った夏切符だった。