大阪桐蔭V狙う「履正社の上」に現実味

 「高校野球・大阪大会決勝、大阪桐蔭9‐1PL学園」(30日、舞洲)

 大阪桐蔭がPL学園を圧倒、1983~85年のPL学園以来となる3年連続の優勝を手にした。この春から4番を任される正随優弥外野手(3年)が大会3本目となる2ランを含む3打点と活躍、全国区の強打者に名乗りを上げた。

 大阪桐蔭の、甲子園を決める白球が収まった先は、正随のグラブの中だった。27個目のアウトとなる中飛をつかんだ左腕を突き上げ、歓喜のマウンドへ全力疾走で突っ込んでいった。

 史上2校目の大阪大会3連覇。甲子園常連校でありながら、正随にとっては最初で最後のチャンス。「やったんだな」と、心の底から喜びを爆発させた。

 回り道したからこそ、この優勝が人一倍うれしい。昨年6月。ベンチ入りメンバーに選ばれる予定だったが、発表2日前、練習中に右足首を骨折。「どん底まで落ち込みました」という。

 小学校1年生で野球を始めた。“師匠”は広島に在籍した元プロ野球選手の祖父・三原卓三さん。軽いボールでの500球のティーバッティングと、100回の素振りを日課とし「とにかくホームランを狙え」と教え込まれた。

 そうして身につけた能力を発揮する場を、故障で奪われた。それだけに、この夏にかける思いは強かった。

 この日、チーム事情で一塁手として先発。初回2死からの一邪飛を、カメラマン席に倒れ込みながらつかみ取ったのも、思いの表れだ。

 六回1死二塁では、内角低めの変化球を「勝手に体が反応して」、左翼席ポール際への2ラン。パワーと技術の高さを見せつけた。

 西谷浩一監督(44)は「センバツは履正社さんが準優勝。その上を行かなければ」と優勝宣言だ。智弁・岡本、盛岡大付・松本ら並み居るスラッガーが甲子園に出場するが、「どんな相手にも引かない」という正随が実力を発揮すれば、『履正社の上』は現実味を帯びてくる。

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