阿部V10号!14年連続2桁弾
「巨人3‐1広島」(2日、東京ド)
4番が意地の一振りだ。その打球には、いろんな思いが詰まっていた。1‐1の六回1死二塁。巨人・阿部が大瀬良の直球をたたいた。左中間席への勝ち越しの10号2ラン。「(左中間への打球は)自分の調子のバロメーター」と好感触を口にした。
入団1年目から14年連続2桁本塁打は長嶋茂雄(17年)に続き、原辰徳と並ぶ球団2位の快挙。だが「(原監督に)並んだとは思っていません」と謙虚。指揮官は「僕なんかよりはるかに可能性がある」とさらなるレベルアップを求めた。
今季は、本人も想定外の打撃不振に陥った。「打つ方に関してこんなに苦しんだのは初めてだった」。プロでも天才打者として君臨した男が打てず、結果も出ず苦悩した。
打順が下がり8番を打ったこともあった。「(4番は)僕が打たないといけない」と責任を感じていた。チームも4番を固定できず苦しんでいたが、前日から4番に座り、やっと復活の兆しを見せた。4番が打った本塁打も7月5日の村田以来で、チームにとっても待望の一発だった。
だが原監督は「手放しで喜んでるんではなくて。さらっと受け流したい」と喜びはしなかった。阿部が完全復活し、不動の4番として君臨した時、チームは上昇気流に乗るはずだ。