ヤクルト雄平がプロ12年目で初満塁弾
「ヤクルト9‐0中日」(2日、神宮)
距離は十分。あとは切れるか切れないか…。三回1死満塁、ヤクルト・雄平の打球が左翼ポールを直撃した瞬間、ツバメ党の大歓声で、神宮の熱帯夜がさらにヒートアップした。プロ12年目、打者転向5年目で初のグランドスラム。「最低でも外野フライと思って高めを待っていた。巨人戦の時はギリギリでファウルになっちゃったので、ホントにうれしい」と満面の笑みだ。
昨年までの本塁打は投手時代に1本、昨年2本の計3本しかなかったが、今季はこれが16号。5月には自身初の月間MVPを獲得し、7月は初の球宴にも出場するなどブレーク中だ。
「自分が出るなんて想像もしてなかった」という球宴では広島・丸とトレーニング談議をしたり「試合前、(巨人)阿部さんがずっとランニングしているのを見てさすがと思った。普段見られないところが見られて、積み重ねの大事さ、すごい選手の意識の高さに刺激を受けた」という。
投手として7年間で18勝挙げたが、野手としての5年間で通算18本塁打に達した。「野手になった時は、投手より長くやりたいと思ったけど、今は大きな目標は持たないで、目の前の1試合1試合に集中するだけ」。30歳、12年といえば中堅クラスだが、野手・雄平の花盛りはこれからだ。