明徳・馬淵監督、岡本を「敬遠しない」
「全国高校野球・組み合わせ抽選会」(6日、フェスティバルホール)
組み合わせ抽選会が6日、大阪市内で行われ、大会屈指の好投手・岸潤一郎投手(3年)を擁する明徳義塾(高知)が、大会No.1スラッガー・岡本和真内野手(3年)を擁する智弁学園(奈良)と第5日第1試合で対戦することが決まった。明徳義塾の馬淵史郎監督(58)は、岸に真っ向勝負での岡本斬りを命じた。
策士の顔に不敵な笑みが浮かぶ。初戦の相手は智弁学園。高校通算73発男・岡本を擁する強敵だ。明徳義塾・馬淵監督は敵将・小坂監督と並んで座ると、すかさず言い放った。
「岡本くんはスゴいバッターやけど、全部敬遠したりはしないよ。ウチの岸は力がある。勝負します」
92年夏、星稜・松井秀喜(元ヤンキース)に対し5打席連続敬遠の作戦を用いた。その再現はあるのか。報道陣の興味を感じ取ったのか、馬淵監督は「敬遠すべき場面では当然するけど」と前置きした上で、自ら「勝負」を宣言した。
それほどMAX146キロのエース・岸への信頼は厚い。岡本攻略に向け「両コーナーをビシッと攻めることができれば抑えられる」と自信満々の表情。ついでに小坂監督の耳元に顔を近づけ、「岸も敬遠せんといてよ」と、4番打者でもある岸との真っ向勝負を“お願い”していた。
一方、主将の岸は浮かない表情だ。今春センバツでは智弁和歌山との初戦を引き当て、延長15回の激闘の末に勝利をつかんだ。同じ「智弁」というだけでなく、またも前評判が高い難敵との対決に「くじ運悪いっす」。岡本に対しては「甘い球は持っていかれる。ボール球を振らせたい」と警戒した。
明徳義塾は過去15度出場した夏の甲子園で、一度も初戦敗退がない。「打力は智弁さんが上。初めて初戦で負けるかもしれんのう」。その言葉とは裏腹に、馬淵監督の顔は余裕たっぷりだった。