明徳・岸、智弁・岡本を「敬遠しても」
「全国高校野球」(9日開幕、甲子園)
開会式リハーサルが8日行われ、明徳義塾(高知)の最速146キロ右腕・岸潤一郎投手(3年)が、大会第5日第1試合で対戦する智弁学園(奈良)の高校通算73本塁打男・岡本和真内野手(3年)に対して「敬遠してもいい」と語った。全国制覇を狙う自身4度目の甲子園。個人の勝負より、チームの勝利を優先する。
注目対決にも過度に力むことはない。明徳義塾のエース・岸は、智弁学園の73発男・岡本との“真っ向勝負”をクールに否定した。
「場合によっては敬遠してもいいと思っています。そういう作戦があるわけですから」
6日の組み合わせ抽選後、馬淵史郎監督(58)は「岡本くんはいい打者だが、岸は力がある。勝負させる」と“松井の5敬遠”のような策は用いないと明言した。手塩にかけて育てたエースと注目の強打者との力試しを楽しみにしているかのような口ぶりだった。だが、岸は“逃げるが勝ち”も心得る。「さすがに満塁でしたりはしませんけど」。敬遠も勝つための方策の一つ。そう割り切っているようだ。
すでに智弁学園の試合映像も分析しており「岡本だけじゃない。ほかの打者も振りが鋭い」と警戒した。1年夏から聖地のマウンドに上がり、これが自身4度目の甲子園。「経験がある自分が舞い上がっていたら、チームに伝染しますから」。146キロ右腕は泰然自若のムードを漂わせている。