松中、涙のお立ち台…元三冠王2年ぶり
「ソフトバンク6-4日本ハム」(10日、ヤフオク)
プロ18年目のベテランが、20歳年下の二刀流右腕を打ち砕いた。両リーグを通じて最後の元三冠王、ソフトバンク・松中が、チームに3年ぶりの8連勝をもたらした。
3‐3の同点で迎えた五回2死一、二塁。大歓声の中、代打で登場した。カウント1‐1から大谷の3球目のカーブを捉えた。打球は左翼線を抜ける勝ち越し二塁打に。
「何とかしよう、それだけだった」。全力疾走で二塁ベースに到達すると、何度も、何度も拳を握った。
試合後は12年7月16日以来2年ぶりとなるお立ち台に上がった。「いやあ、久しぶりなんでやばいです。どんなときもたくさんの…」と話すと、涙声になって絶句。十数秒たって「ファンの声援がありがたかった。感謝の気持ちでいっぱいです」と目を潤ませ、言葉を絞り出した。
04年の三冠王も、今は一日に1度、打席に立つ機会を与えられるかどうかの立場。前日9日には執念のヘッドスライディングを見せ、一打席に懸ける思いを全身で表現した。「レギュラーの時は味わえない経験」と、新境地に臨んでいる。
12日は地元熊本での“凱旋試合”だ。「出られるかは分からないけど、僕の原点でもあるし、しっかりファンにいい姿を見せたい」と力強く誓った。