楽天・則本、涙の完封で2年連続2桁星
「楽天4‐0ロッテ」(15日、コボスタ)
こらえきれない涙を、温かい声援が包んだ。楽天先発の則本が1安打完封で10勝目。新人から2年連続の2桁勝利は球団初。シーズン6完封も2011年の田中に並んで球団最多タイ。チームも自力でのCS進出も復活と、うれしい記録が並んだ。
お立ち台で声を発するたび目が赤くなった。「九回にマウンド行ったときは泣きそうだったけど…」。涙があふれた。「良かったです…」と、何とか絞り出した。
最速150キロの直球とキレのある変化球で9三振を奪った。七回1死、加藤に右前打を打たれた以外は無四球の準完全試合。「あれはあれで仕方ない。そのおかげで完封できた」と後悔はなかった。
6月29日から、先発で5試合未勝利。2日に敗戦してから、中継ぎに回った。悩み苦しんだが、浮かんだのはゆかりある面々。「釜田や田中さんは、投げたくても投げられない。僕の悩んでたことなんてちっぽけなこと」。開き直ってマウンドへ向かった。
星野監督は「ローテ外された屈辱があった。ウチはそこからはい上がってこないヤツが多い」と、ナインの奮起を求め、同時に右腕を褒めた。この日、今季ホーム50試合目で観客数100万人を突破。史上最速だ。苦しくても、来てくれるファンがいる。則本の涙で、もう一度火をつけたい。