大阪桐蔭、初回4失点で“危な勝った”
「全国高校野球・1回戦、大阪桐蔭7-6開星」(15日、甲子園)
3年連続8度目出場の大阪桐蔭が苦しみながら初戦を突破し、近畿勢の連敗を4で止めた。エース・福島孝輔投手(3年)が好リリーフで勝利を呼び込んだ。第9日の2回戦では智弁学園に完勝した明徳義塾(高知)と激突する。
最後の打球が右翼・青柳のグラブに収まると、背番号1の福島は右拳を突き上げた。2年生先発左腕・田中誠也が初回いきなり4失点。7‐5と逆転した六回から継投したエースが反撃を1点に抑え、意地の初戦突破だ。
前夜は1年先輩の森友哉(西武)がオリックス戦でプロ1号。「森さんが打った、打った~」。宿舎で見ていた福島は大興奮し、部屋を飛び出して仲間に知らせて回った。
甲子園初戦を迎える後輩らへの“ゲキ弾”。「自分らも頑張ろうと思った」と気合は入った。2年前の夏は藤浪晋太郎(阪神)が春夏連覇した姿をアルプスで見た。「すごかった。僕もこのマウンドに立ちたいと思った」。受け継いだ背番号「1」にかけ、絶対に負けられなかった。
偉大な先輩を追う選手らはたくましかった。主将・中村誠左翼手(3年)らはベンチで「焦らず1点ずつ」と声を張り上げた。
4‐5と追い上げた五回にボークで同点。六回には敵失、ボークが絡み勝ち越した。強力打線はわずか4安打に終わり、相手のミスに助けられたが、粘りが勝利を呼び込んだ。
2回戦は昨夏敗れた明徳義塾。名将、馬淵史郎監督(58)率いる相手に「課題はたくさん。きょうのような試合していれば勝てない。しっかり挑戦したい」と西谷浩一監督(44)。V候補がまさかの苦戦をバネにする。