近江2年生エース小川が強打鳴門を完封
「全国高校野球・2回戦、近江8‐0鳴門」(16日、甲子園)
近江(滋賀)が7年ぶりに初戦を突破した。出場校中トップのチーム打率・491の強力打線が12安打8得点と本領発揮。エース・小川良憲投手(2年)も自己最速145キロを計測し、9安打完封で鳴門(徳島)を退けた。滋賀県勢は夏通算30勝。
近江に負けじと、チーム打率・449を誇る鳴門の“うずしお打線”を9安打の完封劇。近江の2年生右腕、小川が仁王立ちした聖地のマウンドに、万雷の拍手が降り注いだ。「完封できたということが、一番うれしいです」と満面の笑みだった。
日本ハム・山田GMに「来年のドラフト候補には入ってくるでしょうね」とまで言わせた快投。「ボールを低めに集めて、球数を少なくして」。常日頃心がける“打たせて取る投球”は、全国の舞台でも通用した。
初回、鳴門の2番・高島に対して自己最速145キロを計測。その後3、4番の連打などで2死満塁となっても、慌てず次打者を低めのスライダーで右飛に抑えた。ベンチで球速更新を知らされ、思わず「ウソちゃう?」と聞き返した2年生だ。
目標の選手と投げ合うまで、負けるわけにはいかない。「明徳(義塾)の岸さんのマウンドさばきを勉強したい。甲子園に1年から出てますし、投げ合いたいです」。智弁学園・岡本と岸との勝負もテレビで観戦した。追いつき追い抜くためにも勝ち続けたい。
まだあどけなさが残る右腕は「150キロを投げたい」と進化にどん欲だ。目指す頂はまだ先にある。小川の快投が続けば、2001年夏準優勝のもう一つ先が見えてくる。