今井完封!三重県勢59年ぶりVみえた

 「全国高校野球・準決勝、三重5-0日本文理」(24日、甲子園)

 1969年の選抜大会を制した三重(三重)が日本文理(新潟)を5‐0で破り、夏は初めてとなる決勝進出を果たした。エース左腕・今井重太朗投手(3年)が5安打完封。55年の四日市以来、県勢59年ぶり制覇に王手をかけた。敦賀気比(福井)は大阪桐蔭(大阪)との打ち合いに敗れ、初の決勝進出を逃した。

 最後の打者を三ゴロに打ち取ると、マウンドで今井は両手を天に突き上げた。日本文理を5安打に抑え聖地初完封。177センチ、66キロの細腕が県勢59年ぶりの夏の決勝に導いた。

 「勝ったのがうれしい。しっかり低めに投げ、打たせて取れた。守りからリズムをつくり、攻撃につなげた」と喜びをかみしめた。

 初回「むきになった」と、失策と死球で1死一、二塁のピンチを背負う。ここから4番・池田を遊ゴロ併殺に斬り、平常心を取り戻した。

 二回以降、走者は出すが要所を締め、135球の熱投。延長戦になった初戦・広陵戦は先発9回で交代したが5試合45回、710球を投げ、4試合連続完投。「持ってる力以上のものが出ている」と成長を実感した。

 「あのケガがあったから今、投げられる」‐。小6時に左肘を剥離骨折し、中2までボールすら握れず毎日、ただ走り続けた。タフネス左腕の土台は悪夢の2年が作り上げた。

 左肘完治後、初の大会でもらった背番号「1」。母・麗子さん(43)に見せるため全力で走って家に帰った。母は苦心の日々を思い起こしながらユニホームに「1」を縫い付けたと振り返る。

 「親に感謝している」。最高の恩返しとなる優勝旗まであと1勝。「桐蔭の方がやりたかった。普段通りにやる」と、強打の大阪桐蔭に真っ向勝負だ。

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