大谷8号!10勝投手で日本最多本塁打
「日本ハム8-3ロッテ」(29日、東京ド)
会心の打球ではなかった。初回、1点を先制した後の2死二塁だ。日本ハム・大谷は石川の高め直球をフルスイング。こすり気味だったが、高々と舞い上がった打球は左翼席最前列へ飛び込んだ。パワーで運んだ一発。二刀流は二塁を回ると、不思議そうに観客席を見つめた。
前日に続く2試合連発の8号本塁打だ。シーズンで10勝以上を記録した投手の8本塁打は、1950年の巨人・藤本英雄(26勝・7本塁打)を抜き、日本球界最多となった。これぞ二刀流の神髄を見せつけた形だが、本人は「入ってくれてよかった。(球場が)狭いのでいい当たりでなくても入るのかな」と謙そんした。
疲れてくる夏場もプロ2年目は夏バテ知らずだ。試合前の打撃練習では外野席へ柵越え8本放り込んだ。右翼2階席と右翼上部の看板にもぶち当て、首脳陣を驚かせた。「単純に体が強くなっているから」とサラリと言うところが頼もしい。
日本球界史上初の「10勝&10本塁打」も視界に入ってきた。達成したのは米球界でも、ベーブ・ルースしかいないと言われている。栗山監督も「マンガみたいな選手が出ることは野球界にとっていいことだ。子どもに夢を与える」と投打にわたる活躍を褒めたたえた。だが大谷は「満足していない。もっともっといける」と厳しく言った。残り29試合、どん欲に勝ち星と本塁打を積み重ねる。