マドンナJ六角4連覇へ女侍の心意気
第6回IBAF女子野球ワールドカップ2014宮崎大会が9月1日にサンマリンスタジアム宮崎などで開幕する。女子日本代表チーム(愛称・マドンナジャパン)は第3回松山大会から3連覇中で、「侍ジャパン」の一員として国内開催で4連覇を狙う。主力の1人、六角(ろっかく)彩子内野手(22)に意気込みを聞いた。
涼やかな目が、非常に印象的だ。六角は「軽~く、カープ女子です」と笑う。理由は「堂林選手が好きなんです。ビジュアルがいいですね」。女の子らしい理由ではあっても、対象はアイドルやタレントでなく「そう言えば、そういうところも、野球選手から探してますね」と言う。
何しろ筋金入りの野球好き。「野球が100、と言っていいくらい、常に野球のことを考えているし、毎日素振りも欠かしません。野球をしていれば、幸せなんです」と笑う22歳だ。
マドンナジャパンの一員となったのは2010年、W杯ベネズエラ大会から。首位打者と大会MVPに輝く活躍で2連覇に貢献した。12年、W杯カナダ大会では最高守備選手賞を獲得する働きで、3連覇を果たした。
ナショナルチームの中心選手の力量とは、どの程度なのか。六角の来歴を知れば、ある程度の物差しになるかもしれない。
小学4年生のときに地元(茨城県日立市)のリトルリーグに所属。幼少から兄や、兄の友達と野球をしていたこともあって、硬式野球で「入った時からレギュラーでした。女子は私1人でしたね」と明かす。中学での部活動は軟式野球。ここでも唯一の女子でありながら、1年生の秋に「背番号1」を付けていた。
埼玉栄高女子硬式野球部では投手と遊撃手。「学校のグラウンドのフェンスが86メートル。それを越えていました」と言うから、遠投は男子の高校球児に混じっても強肩の部類に入る。その後、大学、社会人と進み、クラブチーム「侍」に所属し、野球は続けている。
157センチのかわいらしい女性に、「オフの日でもグラウンドに足が向いてしまう」と言わしめるほど夢中にさせる野球の魅力とは何なのか。
「最後まで何があるか分からないこと。いくらうまい子が集まっても、勝てるとは限らないところ。一緒にやる人が楽しくて、本気で取り組んでいて、みんな好き」‐。
4連覇がかかるW杯。優勝が最大の目標であり、「大倉さんの野球は理解できています。プラス、焦らず確実な守備、相手の押しに負けない強い気持ち、次につなげる出塁などで貢献したい」とプランを描いている。
加えて、国内開催を最大限、活用したい。トレーニング関連の仕事を通じて、野球教室のコーチも務め、底辺拡大に尽力している。急増中とはいえ、まだまだ受け皿となる女子硬式チームは足りない。
オムライスとナスが好きと笑いながら、表情を引き締めた。「トップにいる私たちが、よりうまくなって、こういう大会で勝つ」。それがより大きな実を結ぶと信じている。