ソフト中田、獅子退治で7年ぶり10勝
「ソフトバンク6‐2西武」(6日、ヤフオク)
経験値の高さだろう。ソフトバンク・中田は初回2死から2失点。3長短打と四球で先制されたが、二回以降はまるで別人だった。「淡泊に見えたな」。秋山監督は初回の中田をそう分析。二回以降の投球からは、逆に丁寧さと攻めの意識が伝わった。
初回は1球も投げなかった115キロ前後のカーブを効果的に配置。「いい所に落ちた」というフォークは投球数全体の約25%に達した。このウイニングショットがさえ、自己ベストの12奪三振も記録している。
配球の修正に加え、気持ちの切り替えにも成功。「よく2点で収まったと気持ちを入れ直した」。二回から五回まで三者凡退。六回は先頭に四球を与えたが、併殺で切り抜けた。結局7回4安打で2失点。14勝を挙げた2007年以来、7年ぶりの2桁勝利だ。
「開幕前から一つの目標だった。単純にうれしい」。FA権を行使した投手が移籍1年目で10勝以上挙げたのは、プロ野球史上5人目、通算で6度目の快挙。球団では1995年の工藤公康以来だ。
チームは両リーグを通じ一番乗りでCS進出を決めた。最短で8日にも優勝マジック14が点灯する。「大事な試合が続く。任された試合をしっかり投げたい」。頂点を目指して、経験と自信を次に生かしていく。