ハム大谷、ルース以来の10勝&10発
「オリックス8-4日本ハム」(7日、京セラ)
力強いフルスイングで、球界に新たな歴史を刻んだ。4点を追う四回1死。日本ハム・大谷が高めの141キロ直球を低いライナー性の打球で中堅右へたたき込んだ。「狙ってはいないが、しっかり捉えられた」。豪快な一発でプロ野球史上初、メジャーでも1918年のベーブ・ルースしか記録していない「10本塁打&10勝」を達成した。
20歳の若者にとって、96年前の数字はピンと来ない。「個人的には気にしていない。ベーブ・ルースの映画は見たことがありますが」。しかし二刀流の偉業は、オリックスファンを含む球場全体を感動の渦に巻き込んだ。
今でも体に染みついているのは、高校時代の冬練習。1日3000スイングをこなし、天性のセンスに磨きをかけた。メジャーのスカウトたちに「投打ともに魅力」と言わしめた逸材が、プロ2年目でその真価を示した。
栗山監督は「数字は、まだまだ出せる」と辛口だ。それも大谷の素質にほれ込むからこそ。「彼の打撃は少年野球で大人が本塁打を打つようなもの。普通の比較対象で見ていない」と期待する。
ルースが達成した13勝・11本塁打も射程圏だ。「まだミスショットが気になる。しっかり振れれば飛距離は出る」と大谷。この栄光も通過点でしかない。