DeNA山口プロ初完封!虎と3・5差
「DeNA2‐0ヤクルト」(10日、横浜)
九回のマウンドの風景は、これまでとは違っていた。「抑えより、気持ちは楽ですね」。DeNAの山口は最終回のマウンドの、心境の違いを口にした。9回を4安打無四球。117球を投げきって、プロ初完封で7勝目をあげた。
圧巻は七回だ。無死一、三塁のピンチに、守備陣は1点覚悟の併殺狙い。「完封を意識した。あそこは内野フライか三振しかなかった」と、雄平を146キロの内角直球で捕邪飛に。続く畠山は「狙い通り」とフォークで遊ゴロ併殺打に切った。
3日の阪神戦に続く、2試合連続完投。「調整法を変えながら自分の最大限を出しきるものを見つけて」と、要因を語る。先発に転向して、試行錯誤してきた調整方法。「ちょっと張りを残した状態」が、好投につながる。手応えをつかんだ。
久保からのバトンを受け継いだ。「バッターのタイミングの取り方が一定じゃなかった」と相手打線に前夜の久保の残像を感じとる。「クイックを使ったり、いつもより体重を残してみたりした」。緩急自在。チームでは、00年5月2、3日の阪神戦で斎藤隆(現楽天)、小宮山が達成して以来、14年ぶりの2試合連続9回完封につなげた。
3位阪神に3・5ゲーム差。中畑監督は「そんなこと考えない。ウチは勝ち続けるしかない」と言い切った。