オリ金子、完封で13勝 省エネ101球

 「楽天0-6オリックス」(10日、コボスタ)

 前日までの重たい空気が、うそのようだった。オリックス・金子が2年ぶりの無四球完封で、両リーグ単独トップの13勝目。チームを首位争いに踏みとどまらせた。

 序盤は、イニングの合間にしきりに足もとを気にするしぐさを見せた。「マウンドが初めは合わないというか、慣れるまで時間がかかった」。初回から三回まで先頭打者に安打を許すなど、やや不安定な立ち上がり。しかし、そこをきっちり修正できるからこそ、これだけの白星を手にすることができている。

 8、9日と、抑えの平野佳が打たれて負けるという嫌な展開が続いていた。「そこを何とか止められたらと試合前から思っていた」。チームの危機を救うのがエースの仕事。それを理解した上で、十分に全うした。

 相手打線の早打ちにも助けられ、101球の省エネ投球だった。「今思えば、(100球を切るため)あと2球くらい何とかなったんじゃないかと思う」。冗談とも本気とも取れる言葉を残して、バスに乗り込んだ。

 チームは、2位でCSに進出した08年以来となる70勝に到達した。「ここまできたら負けは全部痛いし、勝ちは全部大きい」と森脇監督。チームに立ちこめていた暗雲は、一夜にして吹き飛んだ。

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