ハム大谷完封11勝!初タイトル見えた

 「日本ハム1-0オリックス」(13日、札幌ド)

 1‐0の息詰まる展開の中、最後まで投げきった。九回2死。オリックス・ペーニャから空振り三振を奪うと、日本ハム・大谷は一息つき、天井を見上げた。5月13日西武戦以来2度目の完封勝利。粘りの投球が実った。

 「東明さんもいい投球をしてましたけど、負けないように粘り強く投げました。内容は今までの中でも満足してないけど、試合の結果はすごくうれしい」。122球でつかんだ11勝目。二刀流は喜びをかみしめた。

 疲労を考慮されプロ初の中9日で先発。しかし間隔があきすぎたのか、序盤は体が重くボールが走らなかった。最速は158キロも、本来の超速球ではなかった。それでも「途中からフォークがよくなった」と、要所で落ちる球を有効に使った。

 七回はギアを上げて、3者連続三振。直後に貴重な先制点が入った。八回、無死一、三塁のピンチにも動じない。ベンチは失点覚悟の中間守備を敷いたが、「1点もやるつもりはなかった」。伊藤がセーフティースクイズを試みるも、一塁・中田の好守で三塁走者が本塁憤死。なお1死一、二塁では平野恵を全球フォーク攻めで遊ゴロ併殺に仕留め、最大の危機を脱した。

 シーズン規定投球回に達し、初タイトルも射程圏に捉えた。11勝4敗で勝率・733は、西武・岸に並びリーグトップタイだ。父・徹さんは「小さいころ投手を一生懸命やってきたけど、打撃練習の方が好きそうだった。ここまでになるとは」と目を細める。ベーブ・ルースが1918年に記録した13勝、11本塁打も近づいてきた。二刀流のプロ2年目はまだまだ終わらない。

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