京大・田中 リーグ戦後に「超難解卒論」
「関西学生野球、近大2‐1京大」(16日、甲子園)
近大が京大に2日連続の2‐1という僅差をものにして今季初の勝ち点。京大は6連敗となった。エース・田中英祐投手(4年・白陵)は前日に11回、146球を投げながら八回のピンチで救援し好投。
チームが苦境とあらば、疲労はモノの数ではない。この日はベンチスタートの田中だったが、1点を争う展開で六回からリリーフの準備を開始。
そして1点を追う八回1死一、二塁。出番が巡ってきた。近大6番・木村を、1ボールから145キロ直球で詰まらせ、二ゴロ併殺に仕留めた。
結果は反撃及ばずの連敗。田中は「いい流れで九回の攻撃につなげたかったんですが」と、接戦が続いただけに悔しさも大きい様子。
前日は後半に2失点があり、スタミナを課題に挙げたがこれでリーグ戦6戦中、5試合目の登板だ。タフさはそのまま、プロの評価にも直結する。
“旧帝大”では東大に続いて2校目のプロ輩出も確実。田中は「リーグ戦が終われば」、『SFA(surface force apparatus=表面力測定装置)における水和構造の逆計算理論』という、テーマの卒論にも取り組まなくてはならない。
一般には超難解なテーマも「基礎研究ですから」と笑う田中の、究極の文武両道を貫いた先に待つプロ野球の世界。まずは「一週空くので、切り替えて次(第5節)の同志社戦に臨みたい」と、何としても白星を取りに行く。