福谷、中日最速157キロでプロ初星

 「阪神3-4中日」(21日、甲子園)

 自分でまいた種を自分で刈り取った。負ければチームのCS進出が完全に消滅する試合で中日・福谷が、九回と十回の2イニングを1安打無失点。2年目右腕が今季68試合目、通算77試合目で待望のプロ初勝利をマークした。

 「(勝利投手になった)実感がないですね。本当に勝ててよかった」。ウイニングボールをバッグにしまい、照れ笑いを浮かべた。

 出番は同点で迎えた九回だ。マートン、福留は打ち取って2死。次の呉昇桓に対して「振ってこないだろうと思って」と不用意に投げた初球の直球を二塁へ内野安打にされた。

 続く梅野は初球で投ゴロに打ち取ったが、一塁へふんわり投げるとファウルゾーンを転々とする悪送球だ。2つのミスで一気に2死二、三塁。だが、ここで踏ん張った。関本をカウント2‐2から直球で二ゴロに仕留めた。その球速は自己最速、球団最速タイとなる157キロを計時した。

 「157?打球(の球速表示)でしょ。まあ球速かどうかの判断は任せますけど…。ただ、あの1球は思い切り投げました」

 2年目で新人王の資格を持つが、68試合で1勝4敗、防御率1・78、33ホールドポイント、8セーブは堂々たる成績。「新人王は意識していないんです」と控えめに笑った。

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