オリ18年ぶりVならず…延長力尽く
「ソフトバンク2‐1オリックス」(2日、ヤフオク)
球史に残る名勝負だった。それだけに、オリックスナインにとって残酷すぎる結末だった。歓喜に沸く相手ベンチに背を向け、ぼう然と立ち尽くした。安達、伊藤にいたっては、しばらくうずくまり、動けなかった。
1‐1の延長十回、6番手のマエストリが3四球で1死満塁。森脇監督は比嘉に勝負を託した。しかし松田に4球目のスライダーを左中間へ運ばれた。この瞬間、1996年以来、18年ぶりのリーグ制覇は夢と消えた。比嘉は「四球がダメな状況だったので、少し甘く入った」と悔しさをにじませた。
森脇監督は「この悔しさを表現する言葉が見つからない」と、言葉を絞り出した。負けられない一戦。十回のアタマから比嘉で臨むのが常道と思われるが、投手起用については「敗軍の将、語らず。責任は僕にある」と話すにとどめた。
しかし、悔しさだけでは終わらない。早くもCSから雪辱を果たす道のりを描く。「短期決戦の準備はできた」と指揮官。粘り強く戦った選手の成長をたたえ「まだ決着はついていない」と“再戦”への決意を新たにした。
涙をこらえ、外野席の猛牛ファンにあいさつしたナイン。選手もファンも、心の中に「リベンジ」の文字をはっきりと刻み込んだ。