大谷耐えた!マー君超えCS最年少星
「パCS第1S第1戦、オリックス3‐6日本ハム」(11日、京セラ)
日本ハムがオリックスに逆転勝ちを収めた。先発の大谷翔平投手(20)が右手薬指から出血するアクシデントに見舞われながら6回3失点と粘って、CSの最年少勝利を記録した。オリックスはエースの金子千尋投手(30)が踏ん張りきれず、CS敗退の崖っぷちに追い込まれた。
制球に苦しみながらも、大谷が耐えて粘ってポストシーズン初登板初勝利を挙げた。大舞台での強さを発揮し、CSの最年少勝利記録を打ち立てた20歳は「調子は良くなかったけど、勝てたことはうれしいです。野手の方に助けられ、なんとか六回まで投げられました」と、チームメートに感謝の言葉を連ねた。
試合前のアクシデントを乗り越えて、みんなで手にした白星だ。
まずは球場への移動中。チームバスが、軽乗用車に接触される事故に遭った。幸いケガ人はいなかったが、球場入り後は大谷が災難に見舞われた。ブルペンでの投球練習中、親指が引っかかり右手薬指を負傷。「気にしてもしょうがないので、あまり治療はしなかった」。止血の応急処置を施し、先発マウンドへ上がった。
初回は無失点も、二回に2死から二塁打と連続四死球で満塁のピンチを背負い、平野恵に押し出し四球。気合を入れ直し、次打者坂口への初球にはこの日最速160キロをマークしたが、3球目のカーブが大きく外れて押し出し死球。敵地の大ブーイングの中、帽子を取って謝った。この回4連続四死球で2点を先取されたが、「粘っていれば、打線が点を取ってくると思って」。三回以降は修正し、6回を5安打3失点と踏ん張った。
栗山監督は「重圧、力みもあったろうけど、よく立て直した」と褒めた。今後は野手へとシフトする。2戦目は休養に充てるが、第3戦までもつれた場合は、「(野手出場の)可能性はある」と指揮官。シーズン同様、投打にわたる二刀流劇場でCSも熱くする。