オリ背水…エース金子で手痛い逆転負け

 「パCS第1S第1戦、オリックス3‐6日本ハム」(11日、京セラ)

 投手2冠のエースを立てたが、初戦を取ることはできなかった。六回でマウンドを降りたオリックス・金子は、硬い表情でベンチに座った。

 打線は二回、制球に苦しむ大谷を攻め、押し出し四死球で2点を先制した。しかし金子は五回に大野の右前適時打で1点差に迫られ、六回は2死後、中田へフルカウントから四球。「2死からの四球は、どんな場面でも嫌」という金子の表情が、わずかに曇った。その直後に3連打で2点を失った。

 大黒柱として迎えたCS。金子は「しっくりいく球は少ない中でのマウンド」と振り返った。高山投手コーチも「金子本来の調子からは7~8割の状態」とし「本来のフォームで投げられなくなったので代えた」と無念の決断を下した。

 手痛い逆転負け。ただ立ち止まってはいられない。前を向くしかない。森脇監督は「今季は最初にたたかれてから起き上がるゲームが多かった。明日、しっかりたたきたい」と逆襲を誓う。

 CSファーストSで初戦を落としてから、逆転でファイナルSに進出したのは2006年のソフトバンクだけ。当時、指揮していたのは王監督の代行だった森脇監督自身だ。前日会見で「3試合でもぎ取る」と話した通り、1敗から逆転突破のシナリオはできた。「全員一丸で戦うスタンスは変わりない」。指揮官は目を血走らせた。

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