栗山ハム 好投の浦野九回続投が裏目に
「パCSファイナルS第1戦、ソフトバンク3-2日本ハム」(15日、ヤフオク)
九回1死二、三塁。吉村の打球が無情にも陽岱鋼の頭上を越えると、日本ハムのベンチは凍り付いた。初戦、痛恨の逆転サヨナラ負け。それでも栗山監督は努めて明るく振る舞い、九回まで力投した先発の浦野をかばった。
「よく頑張った。素晴らしかった。ナイスピッチング。もう少し点を取ってたらね」
九回につかまったが、それまで好投していた右腕を責めることはなかった。ファイナルS初戦を託した浦野は初回から安定した投球を続けた。尻上がりに調子を上げ、七、八回を3人で切り抜けた。八回まで1失点。九回も守護神増井でなく、浦野にマウンドに託した。
「浦野が一番(抑える可能性が)高いと思った」と、栗山監督は続投を決断。しかし先頭李大浩に初めて四球を与え、松田には中前打されて無死一、三塁で降板。浦野は「九回まで、投げさせてもらったのに申し訳ないです」と肩を落とした。
今季、ヤフオクドームでは継投に苦しみ、3度サヨナラ負けを喫している。ポストシーズンでもまた屈辱を味わった。パのCSでファーストSを勝ち上がったチームが初戦を落とし、日本シリーズに進出した例は1度もない。それでも栗山監督は「まだ、1敗負けられるんで、精いっぱいやるだけ」。2戦目からの巻き返しを誓った。