中田覚醒!CS男だパ初3戦連発
「パCSファイナルS第2戦、ソフトバンク1-5日本ハム」(16日、ヤフオク)
これが日本の4番の実力だ。日本ハムの中田翔内野手(25)が六回、逆転直後にパCS初の快挙となる3戦連発の2号2ラン。八回にも二塁打で追加点を挙げ3打点。ソフトバンクのアドバンテージ1勝があるため、1勝2敗ながら、4番のバットが逆転突破への道を開く。
手応えは完璧だった。六回。敵失で逆転に成功、なおも2死一塁。中田が放った打球は左中間席、敵地のスタンド、日本ハムファンがわずかに陣取る一角にピンポイントで飛び込んだ。パ・リーグ史上初となるCS3試合連続本塁打。「よかったです。応援してくれるファンのところに飛んでくれたからね」と喜んだ。
広いヤフオクドームの最深部に突き刺した。ここでは4月の3連戦で3試合連続本塁打を放っている。相性のよさを問われ「どうだろう。分からない」ととぼけた。
状態はよくない中でも、結果を出す。それがポリシーだ。シーズン中、敵将ながらアドバイスをくれた秋山監督の教えでもある。「スラッガーとして、ケガをして万全な状態でない時のスイングを身につけろ」。開幕直後に両太ももの張り、左膝痛など満身創痍(そうい)の状態。万全に走れないため、ウオームアップはいつも別メニュー調整。それでも144試合にフル出場し打点王を獲得。「1度もベストの状態がない中、タイトルを取ったのは価値がある」と称賛する栗山監督はCSでのアーチ量産に「さすが4番です」と賛辞を惜しまない。
今季は再三逆転負けを喫したヤフオク。最後の打席も手を緩めない。3点リードの八回1死一、二塁。左翼線へ二塁打を放ちとどめを刺した。2安打3打点の主砲の活躍で1勝2敗に。「負ければ追い込まれる試合で集中力を持っていないバカはいない。なんとか1点でも多く取るために打つ」。ファイナルSをまだまだ終わらせない。