ハム陽岱鋼連発!3安打5打点の大暴れ
「パCSファイナルS第3戦、ソフトバンク4-12日本ハム」(17日、ヤフオク)
こみ上げる思いを抑えながら、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。初回だった。日本ハム・陽岱鋼が大量12得点の先陣を切る右越えソロ。「泣きそうだった」と振り返った。
絶不調だった。3番に座りながら、CSは前夜まで21打数2安打だった。試合前にはセーフティーバントの練習を繰り返した。「あれでボールがしっかり見えるようになった」。試行錯誤が実った。
台風でファーストS第3戦が中止になった13日、栗山監督は陽岱鋼にこう言った。「打てなくてもいいんだ。今シーズンはお前で勝ってきた」。今季は自己最高の打率・293。チームトップの成績を残した。「この野球でここまできた。本質は変えちゃいけない」。不振でも3番に据えた。我慢して信じた。
先制弾が勢いを生む。初回、3ランで続いた小谷野は「みんながいい形でつないでくれたから、力以上のものが出た」と相乗効果を口にする。陽岱鋼は二回に、ビデオ判定の末に2打席連続となる中越え3ラン。六回の左前打と合わせ、3安打5打点の大暴れ。「打てない間、みんながカバーして励ましてくれた。みんなの思いに応えたかった」と胸の内を明かした。
指揮官は予告していた。「岱鋼は試合数があれば必ず機能する。翔と2人が機能すれば連勝できる」。下克上へ役者がそろった。