ハム逆王手!やっぱ中田だ!千金同点弾
「パCSファイナルS第5戦、ソフトバンク4-6日本ハム」(19日、ヤフオク)
日本ハムが4点差をひっくり返して逆転勝ち。対戦成績を3勝3敗のタイとし、逆王手をかけた。七回に3点を返し、八回に4番・中田翔内野手(25)がCSで自身5本目となる値千金の同点ソロ。延長十一回に中島卓也内野手(23)の右前2点適時打で勝ち越した。第6戦に勝てば、2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。セ・リーグCSを勝ち抜いた阪神が待つ大舞台へ、絶好調の主砲が導く。
やはり、頼りになるのはCSファーストSから猛威を振るうこの男だ。1点を追う八回。1ストライクからの2球目。中田が、五十嵐の低めカーブを豪快に振り抜いた。「切れるな」と祈った打球は左翼ポールを巻いて中段で弾む。値千金の同点アーチ。静まりかえる敵地で本塁を踏みしめると、両手を何度もたたき喜んだ。
勢いが止まらない。第4戦こそノーアーチに終わり、ファーストSからの連続試合本塁打は4で途切れたが、一息付いてまた一発。「なんとしてもつなごうと思ってね。いい場面でスタンドまで届いてくれたよ」と胸を張った。
絶対に落とせない第5戦。勝利への欲求をさらにかき立てられるシーンがあった。4点を追う七回。2点を返してなお2死二塁で、西川の右翼への大飛球は1度は本塁打とされたが、ビデオ判定の結果、取り消されて三塁打に。同点も幻となった。ベンチを飛び出し大喜びした主砲も「まじかよっ」とがっくり。それでも「あれがいい刺激にはなった。気合も入った」。熱き思いを一振りに込めて、勝利につなげた。
大舞台で無類の強さを発揮する。今CSはこれで8戦5発。2008年に中日・ウッズが記録した、CSの最多本塁打5に並んだ。好調の秘けつについて「変な緊張感がなく楽しめているから」と言う。初めて出場した控え時代の09年ファイナルSの初打席は見逃し三振。「足がガクガク震えてたけど、今は全くないよね」。厳しい経験を乗り越えたからこそ、堂々と主砲を張れる。
3勝3敗のタイにし、決着は最終決戦へ。「こういう勝ち方でチームとしても勢いがでる。いい雰囲気でいける」と中田。師匠と慕う阪神・西岡と日本シリーズで再会を果たすためにも、自身の一発で勝利を決める。