ソフト秋山監督 有終Vへ“仕掛けた”
「日本シリーズ・第1戦、阪神-ソフトバンク」(25日、甲子園)
鷹の将が動いた。ソフトバンク・秋山幸二監督(52)が24日、甲子園室内練習場内で行われた日本シリーズの監督会議で「予告先発」の採用を提案し、実施が決まった。3年ぶり6度目の頂点奪取へ、“先制攻撃”を仕掛けた形だ。
会議でルールなど一通りの確認を終えた後、自ら「やりましょうか?」と切り出した。23日の全体練習では予告先発採用について否定的だった指揮官だが、この日は一転。各試合後に翌日の先発を発表することになった。
苦い思い出がある。中日と対戦した2011年の日本シリーズは予告先発がなく、初戦先発を右投手のネルソン、吉見と予想も左のチェンが先発。情報戦に敗れ、試合でも完敗した。最終的に4勝3敗で日本一に輝いたが、黒星スタートは深く脳裏に刻まれた。
会議後、予告先発採用を訴えたことについて「ウチも阪神さんも右、左で(先発メンバーは)変わらないし、普通通りやりましょうか」と説明した。根底には、予告先発の中で登板する先発陣にストレスなく調整してほしい親心もあった。
普段は寡黙な指揮官が、自ら動いた前哨戦。このシリーズがラスト采配となる指揮官は、「1戦目からどう戦うかを考え、積み重ねて、日本一を取りたい」と最後に力強く宣言した。秋山ホークス最後の戦いが、敵地・甲子園で幕を開ける。