ハムドラ1有原 今季初星で有終V王手
「東京六大学野球、早大4-3慶大」(2日、神宮)
勝ち点3同士が対決し、日本ハムに1位指名された早大・有原航平投手(4年・広陵)が、七回から3番手で登板。3回1失点に抑えて逃げ切り、5季ぶり44度目のリーグ優勝へ王手をかけた。有原は今季初勝利。敗れた慶大は優勝の可能性が消滅し、3日に早大が勝てば優勝、負ければ明大の2季ぶりの優勝が決まる。
Vへの命運を託された有原が、窮地をしのぎきった。勝てば王手、負ければ消滅。九回、1点差に迫られ、なおも1死一、二塁の絶体絶命のピンチ。狙い通りの低めのスライダーで5-4-3の併殺に仕留めた。
「慶応は、ああいう流れではバントをしてこない。バックを信じて、低めでゴロを打たせようと思った」。先頭の斎藤に右越えソロを浴びると、制球を乱し連続四球。土壇場での一打逆転の危機も、ドラ1右腕は冷静に対峙(たいじ)した。
ドラフト会議では、阪神など4球団の競合の末、日本ハムが交渉権を獲得。晴れの日から初めてのマウンドを、日本ハム・大淵スカウトが見守った。
最速は148キロを計測。今季初の白星も転がり込んだ。3日の大一番もブルペン待機が予想され、岡村監督は「最後に有原がいる形をつくりたい」と、胴上げ投手の青写真を描いた。「粘り強く投げて勝ちたい」と有原。有終の美を飾り、プロの世界に飛び込むつもりだ。