早大V逸…有原「悔しい」4回1失点
「東京六大学野球、慶大5-4早大」(3日、神宮)
優勝に王手をかけていた早大が4-5で慶大に敗れて、勝ち点4で全日程を終えていた明大が2シーズンぶり37度目の優勝を決めた。早大、慶大は4日に勝ち点を4として明大に並んでも勝率で上回れなくなった。日本ハムからドラフト1位指名を受けた有原航平投手(4年・広陵)は五回から登板し、4回1失点。有終の美を飾れなかった。
最後まで、その表情が晴れることはない。勝てば優勝という大一番で、1点差の惜敗。「自分の1点がなければ、最終回で同点だった。悔しい」。八回に手痛い失点を喫したエース・有原は、そう言って唇をかんだ。
先発した1年生左腕の大竹がいきなり3失点。1-4と劣勢の五回から、3番手で登板した。岡村猛監督(59)から「流れを変えてくれ」と託された連投マウンド。だが右肘の状態が万全ではなく、ボールが走らない。再三、走者を背負う苦しい投球を強いられた。
それでも七回に慶大の4番・横尾に対して147キロの直球を投げ込むなど、この回までは無失点で踏ん張った。ただ、八回に力尽きる。1死一、二塁から、8番・小笠原に左前打を浴び、3点差に広げられた。4回を5安打1失点。「前日に比べると球が1個分高く、流れを引き戻せなかった」。直後の九回に打線が1点差まで詰め寄っただけに、悔しさが倍加した。
チームは2012年秋から5季連続のV逸。有終の美を飾ることはできなかった。「最後のシーズンにケガをして本来の力が出せなくて、後輩の力を借りたのが情けなくて悔しい」。有原にとっては、あまりに歯がゆく、苦みが残る秋となった。