虎ドラ3江越、有終V 全得点に絡んだ
「明治神宮大会・大学の部決勝、駒大3-0明大」(19日、神宮)
駒大が明大を下し13年ぶり5度目の優勝を手にした。5度の優勝は明大に並び最多。阪神からドラフト3位で指名された駒大・江越大賀外野手(4年、長崎・海星)が3得点すべてに絡む活躍。明大は2年連続準優勝。オリックスから1位指名を受けた山崎福也投手(4年、日大三)が先発したが、八回途中まで投げ3失点だった。
赤土にまみれたユニホームが、歓喜の輪で誇らしげに映えた。「最後の最後にここまで来られて、本当にうれしい」。大学ラストゲームでつかんだ自身初の日本一。駒大に13年ぶりの優勝をもたらした江越の瞳が涙で潤んだ。
大一番で3得点すべてに絡んだ。まずは六回2死三塁の場面。遊撃への平凡なゴロだったが、全力疾走して一塁へ頭から滑り込むと、一塁手がボールをこぼして待望の先制点が転がり込んだ。八回2死一、三塁では、平凡な飛球が中前にポトリ。貴重な2点適時二塁打になった。視察した阪神・中尾スカウトは「絶対に“持ってる”よ」と、笑顔でうなずいた。
「僕は何もしていないので…」と照れた江越だが、ツキを呼び込んだのは全力プレー。「ショートゴロも、誰でもできる全力疾走をやっただけ。泥くさく、当たり前のことをしっかりやっていくのが駒大の野球。1球に食らいつく大事さを学びました」。八回の適時打も「落ちてくれることを信じて走りました」という姿勢が、野球の神様を振り向かせたのかもしれない。
「大賀」という名前には「土台がしっかりした(大)、みんなに祝ってもらえるような(賀)人になってほしい」という両親の願いが込められている。阪神にドラフト指名されて明治神宮大会を制したのは、99年度ドラフト1位の的場(九州共立大)以来だ。
「今までやってきたことに自信を持って、自分の持ち味を出せるように頑張っていきたい」。来季30年ぶりの日本一を狙う猛虎に、何とも頼もしい“持ってる男”が加入する。