五輪野球&ソフト“復活の道”開けた

 国際オリンピック委員会(IOC)は8日、モナコで臨時総会第1日の審議を行い、中長期改革「五輪アジェンダ2020」の40項目のうち、夏季五輪で最大28と定める競技数の枠を撤廃し、開催都市が複数の種目追加を提案できる権利が承認された。東京五輪での野球とソフトボールの復活、空手の採用に道が開けた。

 大きな前進と言っていい。モナコで行われたIOC総会で中長期改革「五輪アジェンダ2020」の40項目が審議され、夏季五輪で最大28と定める競技数の枠を撤廃し、開催都市が複数の種目追加を提案できる権利が承認された。

 日本国内では野球とソフトボールの復帰への期待が高まり、IOC委員にも支持する声が広がっていることから、今回の改革で両種目の東京五輪での採用が有力となった。今後、東京の大会組織委員会は希望する種目を選び、IOCに提案。早ければ来年7月のIOC総会(クアラルンプール)で野球などの追加が決定する可能性が出てきた。

 五輪野球の復活は、日本球界にとっての「悲願」である。

 05年7月のIOC総会で、野球とソフトボールは世界的な普及度が劣るなどの理由から12年ロンドン五輪での除外が決定した。それ以来、球界関係者は五輪復帰を目指し、さまざまな活動、改革を行ってきた。米大リーグ機構(MLB)にメジャーリーガーの派遣を働きかけ、13年4月には国際野球連盟と国際ソフトボール連盟を統合し、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)を設立。五輪復帰への環境を整えてきた。

 日本の野球、ソフトボールはともに、過去の五輪で輝かしい足跡を残してきた。野球は公開競技として実施された84年ロサンゼルスで金メダル、88年ソウルで銀を獲得。正式種目となった92年バルセロナは銅、96年アトランタでは銀、04年アテネでも銅メダルに輝いた。ソフトボールも08年北京の金を含めて3大会連続でメダルを獲得している。五輪復帰となれば、ともに有力な金メダル候補となり得る。

 一報を受けて、00年シドニー、08年北京の両五輪に出場した巨人・阿部は「国技だと思っている。復活してくれたらうれしい。メダルを取ってほしい」と期待感をにじませた。既に関係者は正式決定を見据えて、東京ドームでの競技実施を検討している。3大会ぶりの五輪復帰が、いよいよ現実味を帯びてきた。

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