ハム大谷11K“大人の投球”で開幕連勝
「オリックス2-4日本ハム」(4日、京セラ)
“大人の投球”で開幕2連勝を飾った。「何とか粘っていけば、チャンスがあると思った。本当に(打線へ)感謝しかないです」。日本ハム・大谷はそう語ったが、逆転劇を呼び込んだのは右腕の修正能力だ。
制球が定まらない立ち上がり。32球中28球を直球で押したが、1死満塁からT-岡田の中前打などで2点を献上。二回も走者を背負い苦しんだが、その姿が三回以降は一変する。
「自分で苦しんでいる感じがした」と、二回終了後に捕手・近藤と話し、変化球主体の投球に切り替える。カーブを増やすことで、体を縦回転で使うフォームに修正。三振の山を築いた。
試合前、栗山監督は「状態の悪いときにどうするかができれば安定する。そうなってほしい」と投手・大谷の成長へ期待を懸けた。その思いに応えるような、7回2失点、11奪三振の好投だった。
指揮官の「攻めようとしてしていたのは認めるよ。後はダメ」という厳しい評価は期待の裏返し。それは大谷も分かっている。「あれ(初回)がなければ八、九回もいけた。手を打つのが遅かった」と反省も忘れない。
右ふくらはぎをつって降板した開幕戦。必死のケアでこの試合に臨み、チームを単独首位に導いた。ただ成長の糧となる勝利になったことは、それ以上の価値がある。