「オリックス５－１西武」（１８日、ほっと）

　ユニホーム右袖のワッペンに書かれた「がんばろうＫＯＢＥ」。１９９５年、震災を乗り越え優勝を果たした時のユニホームに身を包んだオリックスナインが、躍動した。

　大きな働きをしたのが坂口だ。３点リードの六回、自身は出番のなかった開幕戦で完封負けした牧田から、勝利を決定づける１号本塁打を右翼席へ運んだ。八回にも２死無走者から右翼線二塁打で、続く中島のダメ押し二塁打を呼び込む。

　「がんばろうＫＯＢＥ～あの時を忘れない～」と名付けられた西武との２連戦。兵庫県出身の坂口は、震災当時は１０歳。大きな被害はなかったが「このユニホームを着た大先輩たちが、プロになりたいと思わせてくれた。僕らも全力の姿勢を見せていきたい」と、特別な思いを口にした。

　先制打は伊藤。二回２死満塁で「牧田さんの球は引っ張ったら打てない」と内角寄りの球を泥くさくおっつけて右前に落とす２点打。

　三回には糸井が右中間適時二塁打で「ここから乗っていきたい」と声を弾ませた。

　チームは今季初の連勝。借金は１０。それでも「誰一人、心構えは変わってないし、遅すぎることはない」と坂口が代弁する。開幕前Ｖ候補と言われたチームが、メモリアルイベントを契機に、息を吹き返しそうだ。