中日・吉見が開幕20回連続無失点
「中日3-1ヤクルト」(23日、ナゴド)
ピンチでも表情は生き生きとしていた。「1試合に3度はピンチが来る。どうせなら、最初に来たらラッキーって考えることもあります」。これこそ、中日・吉見だった。
一回。先頭・山田にいきなり左越え二塁打を浴びた。だが「よーいドンで長打を打たれましたけど、1点はいいやって思って投げました」と冷静。後続を抑え、さっそうとベンチに戻った。
味方にも助けられた。四回1死一塁で畠山の打席。左足がマウンドに引っかかり転倒。暴投となり、走者を二塁に進めた。次の132キロスライダーを右前に運ばれたが、藤井が本塁へ好返球。松井雅も好ブロックで二走・川端をタッチアウト。「助けてもらいました」とチームメートに感謝した。
7回6安打無失点で2勝目。開幕からの連続無失点を20イニングに伸ばした。さらにチームはナゴヤドームで今月11勝目。これは10年8月以来となる月間球団タイ記録になった。
昨年は復帰3戦目で右肘が張り緊急降板。1軍に戻れなかった。今季3度目の先発となったこの日、そんな不安を自らかき消した。
「1年間このまま投げられれば、戻ってきたんだなと思ってもらって良い」。お立ち台では控えめに語ったが、復活への歩みは力強さを増している。