原G執念「鈴木の足」で連敗脱出
「DeNA1-2巨人」(9日、新潟)
泥臭くとも、価値ある1勝をもぎ取った。連敗を4で止めた巨人・原監督は「いつでも新しいあしたは来る。そうそう変わらないですけど、今日の勝ちは大きい」と独特の表現を交え、笑顔を見せた。
2安打投球と安定感抜群の山口が九回もマウンドへ。5連敗がよぎる中、敵失でほころんだところを一気に攻めた。無死一塁から代走で鈴木。すかさず二盗を決め、2死三塁から亀井の右前同点適時打で生還した。
さらに延長十一回1死一塁、鈴木の足を警戒したDeNAは肩の強い黒羽根に代えたが、「勝負して捕手を代えてきたので、こちらも初球から勝負しようと思った」と、望むところとばかりに交代直後の1球目に二盗を成功させた。暴投の間に三塁まで進むと、小林の遊ゴロで決勝のホームを踏んだ。
年齢を重ねても揺るぎない自信がある。「スタートがうまくできれば、スライディングや中間のスピードは後からついてくる」。そのスタートを磨くため、長野五輪男子スピードスケート金メダリストの清水宏保氏とオフに3回自主トレを行い、同氏の「ロケットスタート」を吸収した。
九回も、十一回も鈴木の快足がなければ、得点は生まれなかった。「彼の足が生きました」。指揮官は改めて、ベテランへの信頼感を強めた。