亜大・諏訪、完全あと2人で逃す
「東都大学野球、亜大7-1国学院大」(12日、神宮)
亜大が国学院大に快勝した。諏訪洸投手(3年・下妻二)が、九回1死まで1人の走者も許さない快投で、リーグ戦初完投勝利を挙げた。中大は打撃戦を制して先勝。昨秋優勝の駒大は、2連覇の可能性が消滅した。
複雑な胸中を物語る苦笑いを浮かべ、諏訪がベンチ裏に現れた。初完投勝利を挙げた一方、あと2人で逃したのは55年春の日大・島津四郎以来となる60年ぶりの完全試合。「意識はしていたけど、気持ちを込めたボールを打たれたので悔いはない」。あくまでさわやかに振り返った。
130キロ台後半の直球とスライダーを制球よく投げ分け、凡打の山を築いた。唯一の失投は、九回1死からの101球目。26人目の打者、西浦に投じた直球が高めに浮いた。左翼席へのソロを浴びると、さすがに唇をかんだが、残り2人をきっちり打ち取った。
昨秋までは救援のみの登板で通算1勝。背水の覚悟で取り組んだ肉体改造が生きた。週5回のウエートトレを導入し、体重は4キロ増の71キロに。平均球速も約4キロアップした。
今季2度目の先発で見せた快投。課題だった四死球も与えず、身長168センチの小柄な左腕は「九回を投げ切れたのがうれしい」と喜んだ。大記録に挑むチャンスは、また訪れるはずだ。