専大26年ぶりV 名門にやっと春
「東都大学野球、専大1-0拓大」(20日、神宮)
専大が拓大に連勝して勝ち点4とし、89年春以来26年ぶりの優勝を飾った。優勝回数はリーグ最多の32度目。1部昇格のシーズンを制したのは、69年春の日大以来46年ぶり2校目。初回に浜田竜之祐内野手(4年・鹿児島実)の適時二塁打であげた1点を守り抜いた。敗れた拓大は最下位が確定。中大は亜大に快勝し、1勝1敗とした。
伝統の緑に鮮やかな黄色が混じったユニホームが、晴天の神宮に映えた。専大復活を告げる待望の優勝。ウイニングボールを手にした斎藤正直監督(55)は「これを取るまでに長かったなと。26年ですから」と、しみじみ喜びをかみしめた。
初回に4番・浜田の先制適時二塁打で挙げた“スミ1”を3投手が死守。今季の8勝中5度目の1点差勝ちだった。サヨナラ勝ちも3度を数えた勝負強さが、最後も光った。
伝統に固執しない変革が実った。OBの斎藤監督は昨年の就任時、中大出身の藤田康夫投手コーチを招へい。指導体制を強化し、1部昇格につなげた。今春は歴史あるユニホームのデザインを一新。OBらの批判もあったが、指揮官は「新生・専大ということで割り切ろう。今いる人間(選手)を主役にする」という信念を貫いた。
浜田は「入学した時から2部の生活が長くて、優勝は想像できなかった」と打ち明け「きつい練習が報われてうれしい」と、頬を緩めた。厳しく長い冬を耐えた名門に、やっと春が訪れた。