東大勝った!指揮官「ゴールではない」
「東京六大学野球、東大6-4法大」(23日、神宮)
リーグワーストの連敗をついに止めた!東大が法大に逆転勝ちし、2010年秋以来9季ぶりとなる白星を挙げ、連敗を94で止めた。八回に2点差を追いつくと、延長十回に2つの野選で2点を挙げた。八回から登板した柴田叡宙投手(2年・洛星)が3回を無失点に抑え、勝ち投手となった。24日の2回戦では02年秋以来となる勝ち点を狙う。負けた法大は優勝の可能性が消え、優勝争いは早大、慶大に絞られた。
佑ちゃんフィーバーに沸いた2010年秋、その早大・斎藤佑樹(現日本ハム)に土をつけて以来の白星だ。三塁側東大応援席のボルテージは最高潮に達した。就任5シーズン目で初勝利の浜田一志監督(50)は興奮を抑えながら言った。
「やっとトンネルを抜け出しました。本当は飛び上がって喜びたかったが、まだゴールではない。次は勝ち点を取って、そして秋には最下位を脱出したい」
今までなら七回に逆転されたところで終わっていた。だが、この日の東大はたくましかった。連勝すれば優勝の望みが残る法大の硬さもあった。「100%力を出し合ったら勝てる相手ではない」と浜田監督。延長十回の決勝点は、イチかバチかの「ゴロゴー」。1死二、三塁で、楠田の二塁への強いゴロが、本塁アウトを狙った野選を誘ってもぎとった。さらに山田も一塁手の野選を誘い、もう1点を加えた。
今季は守り勝つ野球を掲げた。「打力が去年までより弱いので、僅差で守り勝とうと、守備はかなりやりました」と山田は振り返った。中日OBの谷沢健一コーチが教えた打撃、巨人などで活躍した桑田真澄元コーチが残した投手陣への教えも実を結んだ。浜田監督は「選手には言いませんでしたが、100連敗というプレッシャーはありました」とホッとした表情も見せた。
だが、戦いはここから。飯田主将は「1つ勝って、うれしい気持ちはあるが、あしたも試合がある。勝ち点を挙げたい」と厳しい表情で言い、神宮を引き揚げた。