G高橋由 待望の今季1号、敗戦に光!
「交流戦、巨人4-5西武」(27日、東京ド)
敗戦に笑顔はない。だが、G党に希望を抱かせる美しい放物線だった。4点を追う五回、無死一、二塁。巨人・高橋由が待望の1号3ラン。「今年は打てるのかなと不安に思うことはあったが、1という数字がついてくれて少しホッとしたね」。球団の至宝である40歳が、健在ぶりを示した。
仕留めたのは、野上が投じた高めの直球。バックスクリーンまで届く特大アーチとなり「それなりに条件がそろわないと(バックスクリーンには)なかなか入らない。いいバッティングができた」。完璧を求める天才も納得する一打だった。
24日の中日戦から、3戦連続のスタメン出場。調子については「特に普通」というが、確実に上昇している。原監督もベテランの一撃に「まあまあ。兆しは(見えた)ね」とうなずいた。
迫り来る「引退」の2文字との戦い。2月21日に行われた広島とのオープン戦では完璧に仕留めた打球が失速し、右飛に。「これで行かないか…」と、思わず首をかしげた。開幕後も、4月中旬は打率も1割台に低迷。代打出場が続いていた。
この日は本塁打を放った後の第3席で凡退。「あと1点がね」と悔しさもにじませたが、確かな手ごたえをつかんだ一戦となったはずだ。