楽天5割復帰 戸村スクランブルで1失点
「ロッテ1-2楽天」(19日、QVC)
最後を締めた松井裕を、楽天・戸村はベンチ前で満面の笑みを浮かべて出迎えた。緊急先発で5回1失点の力投。「勝っちゃった」とおどけた右腕は「チームに勝ちがついたのも、自分の数字になったのもうれしい」と声を弾ませた。
思わぬ形で登板が巡ってきた。先発予定だった辛島が背中の左側に痛みを訴えて、登板回避。球場入り後に代役を告げられた。「チャンスだと思ってマウンドに上がれた」と5月10日以来の先発に発奮。辛島からは試合後のベンチ裏で「ありがとうございました」とねぎらわれた。
冷静にアウトを重ねた。四回以外は毎回走者を背負ったが、失点は三回の1点のみ。「目の前の打者を打ち取ることだけを考えた」。4月26日に完投勝利を挙げるなど、今季2勝と相性のいいロッテ打線を封じた。
チームは野戦病院と化している。交流戦開始直前の銀次に始まり、枡田、西田、伊志嶺、そして主将の嶋までもが離脱。チーム状態が盤石でない中、リーグ戦再開初戦を飾り、4位に浮上。勝率を4月28日以来となる5割に戻した。「戸村もよく投げたし、全員の執念で勝った試合。みんな、感動するくらい集中してくれた」と大久保監督。6年目右腕の好投で、反攻への機運が高まってきた。