「ソフトバンク３-１０西武」（１日、ヤフオク）

　ダイヤモンドを駆ける顔に笑みが浮かぶ。勝負の行方を確定させた一発。西武・中村が一振りで主役の座を奪った。九回無死満塁から左翼テラス席へ２２号満塁弾。歴代２位タイとなる通算１４本目のグランドスラム。トップに君臨する王貞治（現ソフトバンク会長）のプロ野球記録にあと１本と迫った。

　カウント２－２からのスライダーをじっくり呼び込んでピンポイントではじき返した。追いかけた左翼・内川には見上げることしか許さなかった。本塁打キング単独トップの２２号。７１打点とし、２位の日本ハム・中田に１０差をつけた。

　「巡り合わせもあるし、簡単ではないですよ」と位置づけるグランドスラムだが、５月３０日の阪神戦で通算１３本目を放って、わずか１カ月後にまたも再現してみせた。

　首位・ソフトバンクの連勝を４で止め、チームを２位タイに浮上させた価値ある一発。ジワリ４・５差。連勝で首根っこをつかまえる。おかわり君のバットが白星をいざなう。