智弁和歌山王手!高嶋監督さい配ズバリ

 「高校野球・和歌山大会準決勝、智弁和歌山6-1箕島」(25日、紀三井寺)

 和歌山大会では智弁和歌山が箕島を下し、2年連続の決勝進出を果たした。甲子園歴代最多の63勝を誇る高嶋仁監督(69)の投手起用、配球の読みがズバリ的中。オール2年生のスタメンで挑んだ箕島打線を1点に封じ込めた。和歌山商は田辺工を圧倒し、39年ぶりの決勝進出。

 名将の勝負勘が嫌な流れを感じ取った。4点リードの四回、先頭にソロアーチを浴び、続く打者の打球はボテボテながら三遊間を抜けていった。高嶋監督はここで先発した加藤諒投手(1年)に代え、エース・斎藤祐太投手(3年)を投入。これが勝負を分けた。

 「3点リードで相手にもう1点プラスされたら高校野球はどうなるか分からなくなる」と指揮官。斎藤は変化球を狙い打たれ、2死満塁のピンチを招いたものの無失点で切り抜けた。すると高嶋監督は斎藤を呼び「直球にあれだけ差し込まれている。変化球狙いは明らか。もう少し考えないと」とアドバイス。五回からバッテリーが配球を直球主体に変えると、箕島打線は手も足も出なかった。

 以降はパーフェクトに抑え、2年連続の決勝進出を果たした智弁和歌山。年ごとに選手が入れ替わる高校野球で、ここ10年、3季連続甲子園を逃したことがない“名門”たるゆえんは高嶋監督の野球観、そして経験からくる危険察知能力だ。

 「甲子園を意識してガチガチになってるようじゃダメ。明日は好きにやらせる」と優しい笑みを浮かべた高嶋監督。高校野球100年の歴史で最多の甲子園63勝をマークする名将の目には、常人には分からない、夏のトーナメントを勝ち抜く“何か”が見えている。

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