和田セパ1000安打!史上3人目
「中日3-2巨人」(16日、ナゴド)
遅咲きスラッガーが、また新たな金字塔を打ち建てた。二回に中前打を放って迎えた四回の第2打席。巨人・大竹の外角直球を右前に運んだ。西武で1032。中日で1000。6月に2000安打をマークした中日・和田が、今度は史上3人目の両リーグ1000安打を達成。一塁ベース上で花束を受け取った43歳は静かにはにかんだ。
「もっとヒットを打っている方もいますから。僕はたまたま両リーグで打っただけ。ただ、これだけ長くドラゴンズでプレーできていることがうれしいです」
当初はたどり着けるとは思っていなかった。中日にFA移籍した07年オフ。「契約は3年。続いても2、3年ぐらいと思っていた」。当時35歳。既にベテランだ。だが、リーグを移ったことが選手寿命を延ばすきっかけになった。「セにはDHがない。守れるために、走ることは続けてきたつもり」。その思いで下半身を鍛え、体をケア。セ界への順応がプラスに働き、気付けば竜戦士となって8年がたった。
「チームは苦しい状況だけど、目の前の試合を目いっぱいやるしかない。明日からもその積み重ね」。大杉勝男、落合博満に続く偉業も過去のもの。ヒットを重ねる。懸命にボールを追う。これまでと変わらぬ姿勢で、背番号5はグラウンドに立ち続ける。