「ヤクルト４－０巨人」（２６日、神宮）

　負けられない戦いにエースが投げて打って、粘って勝った。ヤクルト・小川が７回１／３を無失点に抑え、自ら先制の押し出し四球を選ぶ奮闘で、チームを２位浮上に導いた。

　０－０の四回２死満塁。２ボール２ストライクと追い込まれながら、ボール１球を挟んで、右翼ポール際へ満塁本塁打を思わせる大飛球を含めてファウル５球と粘った。最後は高めのスライダーを見送り、押し出し四球をもぎ取った。そこから菅野は崩れ、２死から一気に４点を奪った。

　「何とか食らいつこうという気持ちだけ。あの打席は集中できていた」と小川。投げては初回から３回連続で三塁に走者を背負うなど六回まで毎回走者を許すも、本塁を踏ませず。「ピンチになっても最善を尽くすだけ。打者を抑えることに集中して勝負できた」と常に冷静さを失わなかった。

　同期入団の菅野との投げ合いに「菅野さんが勝てば１０勝、ボクが勝てば９勝で並ぶ。先に点をやらない意識が強かった」と意地を見せて勝利。真中監督も「打者に劣らぬ集中力で価値ある四球。先発が粘ればああいう展開でも勝負になる」と絶賛した。「あと１カ月。１試合、１試合が最後を左右する。準備の段階で万全を尽くして投げていきたい」と、エースの役割を自覚するライアン。逆転Ｖへ最後まで粘り続ける。