「阪神４－３巨人」（９日、甲子園球場）

　逆転Ｖへの希望がしぼむ、痛恨の１敗だ。巨人は４番手のマシソンが打たれ、サヨナラ負け。首位・阪神との差が３に広がった。原監督は悔しさを押し殺しながら「２点を勝ち越して、あそこ（七回）を守れなかった。結果こうなりましたね」と、淡々と振り返った。

　詰めの甘さが、敗戦につながった。阿部の２ランで勝ち越した直後の七回の守り。好投のマイコラスがゴメスに適時二塁打、伊藤隼に犠飛を浴び、追いつかれた。ゴメスは１－２と追い込みながら、伊藤隼には初球を、いずれもカウントに余裕があった場面での痛打。指揮官は「（バッテリーが）勝負を焦りすぎた感がある」と指摘した。

　王者らしからぬ隙も突かれた。七回はゴメスの右中間への打球に対し、右翼手・長野の処理が遅れ、二塁への進塁を許した（記録は二塁打）。長野は「シングルで止めておけば、３点目は入っていなかった」と猛省した。

　九回、無死三塁で無得点に終わるなど、チームには重圧ものし掛かっている。１０日の試合で負けるか、引き分けで自力Ｖが再消滅する。原監督と主砲の阿部は「あした、切り替えていきます」と同じ言葉で前を向いたが、厳しい状況に追い込まれた。