中日和田、最後まで全力…引退試合で涙
「中日4-2阪神」(24日、ナゴヤドーム)
独特のスイングで放たれた打球は一直線に左翼へ飛んでいく。これでユニホームを脱ぐには、あまりに惜しい当たりだった。二回、打者一巡の攻撃を呼び込んだ通算2050安打目が、中日の和田にとって最後のヒットになった。「やりがいのある野球人生だった。後輩たちが強いドラゴンズを復活させてくれると思う」と言って涙ぐんだ。
引退を表明しても「何も変わらない。勝利のためにベストを尽くすだけ」と言い続けた。五回には遊ゴロで、両膝に痛みを抱えながら必死で走った。「体が壊れてもいいから目いっぱいやる」という言葉に偽りなし。実直な男は最後の瞬間まで全力プレーを貫いた。
ひた向きに過ごした19年間を締めくくる一戦。試合前に「打撃練習ももう最後なので少し寂しい」と漏らした。本拠地に惜別の拍手と歓声が響く中、4人の子どもたちから花束を受け取った。その目に涙があふれた。