巨人4連覇絶望的…原監督の積極策不発
「阪神2‐0巨人」(28日、甲子園球場)
4連覇が絶望的になった。巨人打線が藤浪の前に沈黙し、今季15度目の完封負け。ヤクルトの優勝マジックが「1」となり、崖っぷちに追い込まれた。
2点を追う九回2死二、三塁。大田は思いきりバットを振ったが、詰まった打球は無情にも藤浪の前へ。一打同点の場面を逃し、ナインは静かに三塁側ベンチを引き揚げた。8安打を放ったが、2併殺、8残塁の拙攻で無得点。「ホームを踏まないと勝利はない」と原監督は厳しい表情だった。
「0点という中で、何とかタイムリーを」と、指揮官は積極的に動いた。八回、途中出場の井端の中前打から2死一、二塁のチャンスをつくると、次打者・坂本の元へ自ら歩み寄って耳打ちした。芯で捉えた打球だったが、惜しくも左飛。「いい打撃をしましたけどね」と原監督は責めなかったが、「結果はアウトなので」と坂本は唇をかんだ。
前夜、ヤクルトに優勝マジックが点灯し、必勝を期して関西へ移動してきた。だが、相手エース・藤浪は手ごわかった。「厳しい状況になった」という報道陣の問いに、原監督は「可能性がある限り、我々は『そうですね』と同調はしない」とファイティングポーズを崩さなかった。だが「優勝」という頂は、かすんで見えなくなった。